症状別の施術例


38歳 女性 A様

発症した状況

自宅で掃除をしていて床の物を持ち上げようとした際、左の臀部から左の太ももにかけて鋭い痛みが走った。
整形外科を受診すると、腰椎椎間板ヘルニアと診断されたが手術等の提案はなく、経過観察となった。
ヘルニアと診断が出ても、レントゲンの状態によっては手術する程度ではないとされることも少なくはありません。その場合に、他の部位を施術することで症状が緩和されるケースがあります。

施術内容と経過

ヘルニアは背骨と背骨の間に椎間板といわれるクッションのような物があり、それが背面へ飛び出すことを言います。腰椎4番、5番はヘルニアの好発部位ともいわれています。好発部位となる理由として腰椎の4番や5番は過剰に動いてしまうためといわれています。
なぜ動き過ぎるのか、理由の一つとして、腰椎以外の頸椎、胸椎、骨盤などの動きが悪くなっているために、代償として腰椎が動き過ぎてしまいます。特に胸椎の可動性が狭くなると腰椎に影響し、ヘルニアの発症に大きく関わります。
整骨院や整体院では、飛び出た椎間板を引っ込めることはできません。しかし、中には椎間板が飛び出る現象が症状を出している訳ではないといったことがあります。もちろん椎間板によって症状が出ることもあるため、その場合は医師に相談が必要です。
今回は腰部や臀部の筋肉が硬くなり、股関節や骨盤の仙腸関節といわれる関節の動きも狭くなった状態でした。
徒手施術と鍼灸施術を用いて筋肉や関節の動きやすさを再獲得し、腹部周囲の筋肉にエクササイズを加えることで体幹の安定化を図りました。
1か月目から2か月目中頃までは週2回通院いただき、以降は週1回通院いただいております。2か月目後半から痛みがなくなり日常生活を送っておられます。
今後必ずしも症状が再発しないとは言い切れません。普段のケアを習慣化することで再発のリスクを低下させる必要があります。また、椎間板は運動をすることによる弾みで、椎間板内の循環が改善されるという報告もあります。適切な負荷を加え、椎間板を良好な状態に保ってあげることが必要です。どのようなエクササイズを行うか選択する際には、体幹部分の捻じりの動作が極力少ないものを選択します。椎間板は捻じりの負荷に対して耐性を持っておらず、エクササイズの方法によっては、より症状を悪化させてしまうことがあります。正しいフォームで適切に行うように心がけてください。